パスタは“茹でる”から“煮る”時代へ?水少なめパスタの魅力と注意点

「最近、パスタって水少なめでフライパンで煮るレシピ、よく見ない? 昔は大きな鍋でお湯たっぷり使って茹でてた気がするけど。」

「確かに、“ワンポットパスタ”とか、“水漬けパスタ”とか、最近は調理器具も少なく済むし、時短にもなるって人気みたい。一人暮らしの人には特に好評だよね。」

■ 近年注目される「水少なめパスタ」とは?
パスタといえば、「大きな鍋にたっぷりの湯を沸かして塩を入れ、麺を茹でる」というのが基本でした。しかし、最近では水の量を減らし、フライパンや小鍋ひとつで完結する“水少なめ調理法”が注目を集めています。
この調理法の火付け役は、2013年頃にアメリカの料理研究家マーサ・スチュワートのウェブメディアで紹介された「One-Pot Pasta(ワンポットパスタ)」がきっかけとされています。その後、SNSや動画レシピサイトを通じて世界中に広まり、日本でも2015年頃から一人暮らしや共働き家庭を中心に支持されるようになりました。
■ 従来の「たっぷりのお湯で茹でる」パスタの特徴
◎ 基本的な手順
- パスタ100gに対して1L以上の水を沸騰させる
- 塩(1%程度)を加える
- パスタを茹でる(7〜10分)
- ザルにあげて湯切りし、ソースと和える
◎ メリット
- アルデンテ(中心が少し芯のある食感)に仕上げやすい
- パスタのぬめりや余分なでんぷんが湯に流れ、すっきりとした味わい
- ソースの味とパスタが調和しやすい
◎ デメリット
- 大きな鍋とザルが必要で洗い物が多い
- お湯を沸かすのに時間と光熱費がかかる
- 茹でた後にソースを作る必要があり、工程が多い
■ 話題の「水少なめパスタ(ワンポットパスタ)」の特徴
◎ 基本的な手順
- フライパンや小鍋に乾麺・具材・水・調味料を一緒に入れる
- 中火で加熱し、水分がほぼなくなるまで煮る
- ソースと一体になった状態で完成
◎ メリット
- 鍋ひとつで調理&片付けがラク
- 時短(10〜15分程度で完成)
- パスタが水分を吸いながら煮えるため、味がしっかり染み込む
◎ デメリット
- 水加減が難しく、少なすぎると焦げやすい
- パスタの食感がやや柔らかめ(モチモチ寄り)になる
- 茹でこぼさないため、でんぷん質がソースに残り、重く感じることもある
■ 徹底比較:たっぷり茹でる vs 水少なめで煮る
項目 | たっぷり茹でる | 水少なめで煮る |
---|---|---|
手間 | 多い(鍋・ザル必須) | 少ない(フライパン1つ) |
調理時間 | やや長め | 時短 |
食感 | アルデンテ重視 | モチモチ系 |
味のなじみ | ソースと絡める | 麺自体に味が染み込む |
洗い物 | 多い | 少ない |
向いている人 | 料理好き、本格派 | 忙しい人、一人暮らし |
■ どちらが美味しい?味や仕上がりの違い
味の好みは個人差がありますが、従来の茹で方は「ソースと麺の分離感」、水少なめは「一体感」が特徴です。
例えばペペロンチーノのように、シンプルな味付けでオイルと麺の絡みを楽しみたいときは従来法が向いています。一方、トマトソースやクリーム系など“煮込みながら作る系”のソースは水少なめ調理と非常に相性が良く、深みのある味わいに仕上がります。
■ 実際に作ってみた感想
筆者も両方の調理法でペンネ・スパゲティ・フェットチーネなどを試してみましたが、平日は「水少なめ」で手早く済ませ、休日は「本格茹で」で食感にこだわるという使い分けが非常に便利です。
特に一人暮らしでキッチンが狭い環境では、「フライパンひとつで完結」できるのはありがたいですね。
■ まとめ:あなたのライフスタイルに合った方法を選ぼう
パスタの調理法は、「たっぷりの湯で茹でる」時代から、「煮ながら味を染み込ませる」時代へと広がっています。
それぞれの調理法にはメリット・デメリットがあるため、生活スタイルや時間の余裕、味の好みに合わせて使い分けるのがベストです。
一人暮らしや忙しい平日には水少なめ調理で時短・節水、休日やおもてなしには本格的な茹で方でクオリティ重視。
そんなふうに柔軟に選べるのが、現代の料理スタイルの良さですね。
